日本の臓器移植の現状と課題
臓器移植は、死亡した方から提供された臓器を移植する死体臓器移植と、生きている方(主に家族)から提供された臓器を移植する生体臓器移植 現在、臓器移植は、この二つの方法で成り立っています。
日本の場合、前者は臓器移植を必要とする患者さんが『日本臓器移植ネットワーク』に登録し、移植のチャンスが訪れるのを待つ方法。
登録時や毎年の更新時に手数料が掛かるうえ、現在の待機期間は15年以上といわれています。
そして、もしも候補者として選ばれても、必ず移植を受けることが出来るとは限りません。
それは移植希望者の生活面の都合や、突然の連絡に対応できない等、様々です。
摘出後、移植までに許容される時間は臓器によって異なりますが、最長でも膵臓や腎臓の場合は24時間であるために連絡がつかない場合は次の適合臓器を待つことになります。
一方で後者は、『日本臓器移植ネットワーク』への登録の必要はなく、移植施設で臓器移植が可能と判断されれば、移植手術が行われます。
但し、臓器移植手術には一般の外科手術とは違い、臓器を提供していただけるドナーが必要です。
この生体臓器移植では、レシピエント(移植を受ける患者)とドナー(臓器提供者)の都合さえ合えば、いつでも移植手術が可能ですが、日本においてはドナーになり得る人は、臓器移植学会のガイドラインにより、原則として親族等に限定されています。 そして、そのドナーは臓器提供を強要されていないか等を厳しく調査しなくてはなりません。 生体臓器移植は早く、確実に臓器提供を受ける手段ですが、ドナーとなる親族の理解を得るなど、提供を受けることが困難な手段に違いはありません。